ゲーム開発に興味がある人は、一度はこのように思ったことがあるのではないでしょうか?
ただ、「実際にどうしたらいいのかわからない」「作ってみようと思ったけど挫折した」という人も多いと思います。
ソシャゲは企業が作るイメージがありますが、個人でも作ることは可能です。
よく実装されているランキング機能やログイン機能などは、BaaS を使うことで簡単に実現できます。
もしすべて自分で実装しようと考えていた人は、これを機に BaaS の導入を検討してみてください。
では、さっそく見ていきましょう。
フロントエンドとバックエンド
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/bc2f2e13dabf2f96144cfab196d68fab.png)
まずは基本的な話として、フロントエンドとバックエンドについてです(知っている方は読み飛ばしてください)。
フロントエンドは、ユーザーの目に触れる部分のことをいいます。
例えば以下の内容です。
- 画面のレイアウト
- メッセージやボタンなどの部品
- フォントや色
バックエンドはその逆で、ユーザーの目に触れない部分のことをいいます。
例えば、以下の内容です。
- ランキングを決める機能
- ログイン機能
- アイテムの管理機能
いくら見た目がかっこいい UI をつくったとしても、バックエンドがちゃんと実装されていなければ、まともに動かないというわけです。
バックエンド開発はゼロからやると大変
ログイン機能やランキング機能などをつけようと思うと、自分で実装する必要があります。
ざっと洗い出すだけでも以下のようなタスクがあり、とても大変です。
- 機能設計
- 実装、テスト、バグ修正
- データベース管理、サーバー管理
すでにゲーム開発の経験がある方なら、こんな経験もあるのではないでしょうか?
実現したいことはあるのに、時間ばかりかかって完成しないのはつらいですよね。
ここで役に立つのが「BaaS」です。
BaaS とは
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/undraw_Mobile_wireframe_re_jxui.png)
BaaS(Backend as a Service) とは、バックエンド開発を楽にしてくれるサービスのことです。
ログイン機能やランキング機能など、自分で実装するのは大変なものも、API を呼び出すだけで実現ができるようになります。
なので、実装とテストも最小限になり、品質の高いゲームを最短で仕上げることができるというわけです。
無料枠も広いので、採用しない理由はないですね。
ただ「BaaS」といっても世の中にはたくさん種類があるので、本記事に7つをまとめました。
採用すべき BaaS 7選
結論からいうと、以下の7つです。
① PlayFab
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/302f268546661ed2ec8ec8ca844d0571.png)
「PlayFab(プレイファブ)」とは、Microsoft が提供している BaaS です。
ゲーム開発に特化されていて、詳細なログの確認や分析が簡単にできるのも特徴のひとつです。
また、「初回ログイン時に、ボーナスを付与する」といった処理もノーコードで実現できる機能が提供されているのも嬉しい点です。
Game Manager と呼ばれる管理画面も見やすく、直感的に使いやすいと感じました。
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/0ff865ebe457f3c99a7bcf7ea8e126e0.png)
マルチプラットフォームに対応しているので、スマホゲームだけでなく、ニンテンドースイッチなど家庭用ゲームなんかにも使うことができます。
公式ドキュメントによると、10万ユーザーまで無料で使用できます。
迷ったらとりあえず PlayFab を選んでおけば、間違いないでしょう。
始め方は「【初心者向け】PlayFabの始め方【環境構築から初回ログインまで】」で解説しています。
② Firebase
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「Firebase(ファイアベース)」は、Google が提供している BaaS です。
料金は無料枠があるので、お試しで使うことができます。
詳細は公式ドキュメントの料金ページを参照してください。
ログイン機能やデータベース、プッシュ通知などの機能はありますが、ゲーム開発に特化されているわけではないので、機能は限られます。
必要最低限の機能で問題ない場合は、採用を検討しても良いかもしれません。
③ NCMB
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/27eeee866ba07474a287206970e2ff90.png)
「NCMB(ニフクラ mobile backend)」は、富士通クラウドテクノロジーズが提供している BaaS です。
ホームページやドキュメントにはかなり力を入れていて、始めて使う人でも迷うことなく進められるようになっています。
今回紹介する BaaS の中でも、ダントツでわかりやすいです。
Firebase と同じようにログイン機能やプッシュ通知などは使えますが、ゲーム開発に特化されていません。
無料枠があるので、お試しで使ってみてもいいかもしれません。
④ Game Server Services
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「Game Server Services」は、Game Server Services 株式会社が提供している BaaS です。
また、「GS2」とも呼ばれます。
とにかく機能が豊富なのが特徴で、ログイン機能やアイテム管理だけでなく、ミッションやクエスト、経験値などもあります。
また、ドキュメントもソースコードとセットで非常に丁寧に書かれていて、迷うことはなさそうです。
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/5e9022a0df835b8ffcf7b9f57b68d450.png)
料金も、過去12か月間の売上高の合計が1000万円未満であれば無料で使えます。
たくさんの機能を実装したい人は検討してみてもいいですね。
⑤ Epic Online Services
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/aada342fe85157a78a0b280d94316e07-scaled.jpg)
「Epic Online Services」は、Epic Games が提供している BaaS です。
ゲームエンジンである Unreal Engine を提供している会社ですね。
世界的に有名なゲーム「Fortnite」にも Epic Online Services が使われているため、かなり大規模なゲームにも対応しています。
C# SDK も用意されているので、Unity でも使用できます。
ただ実装サンプルが少ないので、採用するなら実装に時間がかかりそうです。
完全無料で公開されているので、規模が大きくなっても安心なのはありがたいですね。
⑥ Gamebase
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/solution_game_gamebase-min.png)
「Gamebase」は、NHN JAPAN が運営する NHN Cloud に含まれる BaaS のことです。
機能としては、ランキング、SNS 認証、アプリ内決済などがありますが、アイテム管理はないようなので、自分で実装する必要があります。
Unity SDK の公式ドキュメントがとても丁寧に書かれているため、迷うことなく進められますね。
料金は、月間のアクティブユーザーが 30,000 以下なら無料で使えます。
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/efe19d9543eb17234408f37b797f4a3c.png)
趣味で使う分には十分な容量ですね。
⑦ Backendless
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Backendless は、ツール名と同じ会社名 Backendless が運営している BaaS です。
こちらもゲーム開発に特化されているわけではないですが、ログイン機能やリアルタイムデータベース、プッシュ通知の機能が用意されています。
他の BaaS ではあまり見ない「メール送信」の機能もついていたりします。
C# SDK が用意されているので Unity でも問題なく使用できますが、難点としてはまだ日本語化されていない点です。
管理画面はオシャレでとても使いやすいので、今後に期待できそうなサービスと言えます。
気になる人はZenn の記事でさらに詳しく解説しているので、もしよければご覧ください。
おまけ:Kii Cloud
![unity-baas](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/06/cc0745f0c107557ec74d3b248e95fb47.jpg)
「Kii Cloud」は、Kii株式会社が運営する BaaS です。
ユーザー管理やデータ管理、プッシュ通知などある程度の機能はそろっていますが、Unity SDK を見ると2018年にサポートが終了していました。
iOS SDK や Android SDK、REST API の開発はされているようなので、Unity 以外では使える可能性はあります。
気になる人は公式ドキュメントをチェックしてみてください。
さらにおまけ:Unity Gaming Services
![unity-gaming-services](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2021/11/714ec88a2ff1693b8c99e13b4398d798.png)
Unity Gaming Services とは、ゲームの開発からリリース後の運用までに必要な機能を、ひとつのサービスにまとめたものです。
詳しくは「Unity Gaming Services とは?匿名ログインと Cloud Save を試してみた」の記事で解説しているので、こちらを参照してください。
まとめ
Unity でソシャゲをつくるなら、採用すべき BaaS を7つ厳選して紹介しました。
このブログでも紹介している通り、私のオススメは「PlayFab」です。
Microsoft が提供しているため突然のサービス終了になる確率が低いですし、ゲーム開発に特化されています。
管理画面もとても使いやすいので、直感的に操作もしやすかったです。
このブログを読みながら手を動かしていただければ、PlayFab のよさに気づいていただけると思います。
まずは PlayFab を試しに触ってみてください。
最後にもう一度、BaaS をまとめておきます。
![playfab-book](https://playfab-master.com/wp-content/uploads/2020/08/bcc891b63849bb6819125040123a3817.jpg)
PlayFab のことをもっと皆さんに知ってもらいたくて、合計500ページ以上にもなる書籍を5冊に分けて執筆しました。
私の知識をすべて詰め込んでいるので、ゲーム開発をさらに加速させたい方はぜひご覧ください。